「昆布と健康」昆布の豆知識

【昆布の成分】ミネラルとは

ミネラルは、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンに並ぶ五大栄養素のひとつです。なかでも特に重要なものが必須ミネラルと呼ばれています。必須ミネラルとは、主要ミネラルである「カルシウム、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、塩素、マグネシウム」の7種類と、微量元素である『鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、マンガン、モリブデン、クロム、コバルト』の9種類の計16種です。
ミネラルは、からだの機能の維持や調節に欠かせない微量栄養素で、体内で生成することができず、食物から摂取する必要があります。
カルシウムはリン、マグネシウムと共に骨や歯を形成したり、筋肉を収縮させ、心臓を規則的に正しく活動させます。
カリウムは血圧を正常に保つ働きがあり、ナトリウムの排泄を促して血圧の上昇を抑制する作用があります。
女性に欠乏が目立つ鉄分は、肌の血色をよくし貧血を予防するなどの働きがあります。ビタミンは、肌荒れを防ぎます。 昆布に含まれるカリウムは大豆の約2.7倍。カルシウムは、牛乳の約6.0倍。

昆布の主な成分 乾重量%
タンパク質 9.3
遊離アミノ酸 1.51
脂質 2.5
コレステロール 0.11
総炭水化物
50.0
マンニトール 16.3
フコイダン 2.5
ラミナラン 1.0
アルギン酸 22.3
粗繊維 5.4
その他 3.5
灰分
28.9
カルシウム 0.94
マグネシウム 0.82
0.038
ナトリウム 3.3
カリウム 13.7
ヨウ素 0.327
リン 0.32
その他 9.45
カルシウム 牛肉の142倍 牛乳の7倍
ミネラル 牛肉の19倍 牛乳の23倍
鉄分 牛肉の2倍 牛乳の39倍
ビタミンA 牛肉の17倍 牛乳の39倍
ビタミンB1 牛肉の7倍 牛乳の16倍
ビタミンB2 牛肉の5倍 牛乳の3倍
ビタミンC 牛肉の13倍 牛乳の3倍

【昆布の成分】ヨウ素とは?

食物中、最も多く昆布に含まれるヨウ素(ヨード)とは?

ヨウ素は甲状腺ホルモンのチロキシンとトリヨードチロニンをつくる材料になっており、交感神経を刺激することでタンパク質や脂質糖質の代謝を促す働きをもっています。
ヨウ素は基礎代謝を高め、特に子どもにとっては、体や知能の発育を促進させる働きがあります。
また、皮膚や髪、爪などを健康に保つという効果を持っています。
ヨウ素が不足するとだるさを感じたり疲れやすくなったりという影響が現れ、ヨウ素の欠乏症または過剰摂取によって、甲状腺腫などの影響が現れることがあります。
ヨウ素の1日の必要摂取量は150μg、許容上限摂取量は3mgです。
昆布のヨウ素含有量は、1食分(4cm角1g)1590μgです。

昆布にはヌルヌル成分に含まれる、水溶性食物繊維(粘質多糖類)であるアルギン酸とフコイダンがたっぷり含まれています。昆布のうまみ成分でもあるグルタミン酸は、アミノ酸の一種で脳の機能を高めます。またエネルギー代謝や窒素代謝に関与し、精神的な病やぼけの治療などにも効果が期待できます。さらに、尿の排泄を促進させ、アンモニアを体外に排出する働きもあります。

【昆布の成分】フコイダン

昆布の成分の30~40%は水溶性食物繊維です。

今話題のぬるぬるした成分である水溶性食物繊維、フコイダンの働きは体内に摂取された食物の胃から小腸への移動を遅くすることです。働きが鈍くなった胃にフコイダンが硫酸基をつかって胃の粘膜を刺激し、胃の働きを活発にしてくれるのです。食物を長くとどめるという働きは胃液の分泌を盛んにして満腹感をもたらし、食べすぎを抑えるため、肥満防止に役立ちます。

フコイダンは善玉菌を増やし、腸の働きを活性化させて排便を促進させ、便秘の予防にもなります。フコイダンは胃の粘膜を保護する働きを持っています。胃がん・胃潰瘍の原因といわれるピロリ菌は、胃壁の弱っている部分に付着し、炎症や胃潰瘍を起こしますが、このピロリ菌が胃壁に付着するのをフコイダンの硫酸基が防ぎ、腸へ押し流してくれる働きもしてくれます。

フコイダンが がん細胞と接触すると、がん細胞の細胞のDNAを壊して自滅させるという働きがあります。自滅しないガン細胞に対して、フコイダンが細胞膜の表面に穴をあけると、細胞の中でパーフォリンという毒素が出され死滅に導きます。

フコイダンが腸内における粘膜免疫機能を刺激してくれることで、全身の免疫細胞の防御力が高まるということにつながります。小腸に存在するM細胞により抱え込まれたフコイダンをリンパ球(NK細胞、T細胞、B細胞)が攻撃することにより、免疫に関わるリンパ球の1つNK細胞の活性化が行われます。また、活性化されたリンパ球が血液の流れに乗ると、抗体の分泌が進みます。それにより、免疫力がたかまり、様々な感染症の予防も期待できるのです。

フコイダンにはF、U、Gの3種類があります。FとGには、肝機能増殖因子(HGF)の分泌を高めてくれる働きがあることがわかっています。

【昆布の成分】アルギン酸

昆布に含まれる水溶性食物繊維アルギン酸は、カリウムなどのミネラルと結びついています。

そのアルギン酸は胃の中に入り胃酸の影響を受けると、結びついていたカリウムと離れてしまいます。 カリウムと離れたアルギン酸は、小腸で血圧を上げる原因となる過剰なナトリウムと結合し体外へ排出されます。 また胃でアルギン酸と離れたカリウムは腸から吸収され血液中でナトリウムと結合し、排出する役割をもちます。こうして過剰なナトリウムが押さえられ、血圧が下がることになるのです。

アルコールは約20%が胃から直接吸収されます。アルギン酸が胃壁に付着することで、アルコールの吸収を妨げてくれる働きがあります。また小腸での吸収も遅くなりますので、急激にアルコールを吸収することがなく、悪酔いや二日酔いを防いでくれます。

アルギン酸は、胆汁酸の排出量を増やす働きをもっています。胆汁酸とはコレステロールを原料に作り出されるものなので、胆汁酸が排出されることにより肝臓でのコレステロールの分解が進み、結果的には、血液中のコレステロール数値を減らし血液がさらさらな状態を保ってくれるのです。アルギン酸は、腸内でコレステロールを吸着・排泄し、高脂血症、動脈硬化を予防します。

最後に

この「昆布と健康」の掲載内容につきましては、昆布に含まれている栄養素や成分についての一般的な情報をお伝えするものであり、昆布を摂取する事で必ずその効果が得られる事を保証するものではありません。ご理解下さいますようお願い申し上げます。

「3.世界の昆布」へ

「5.昆布と暮らし」へ