「昆布の伝統料理」昆布の豆知識

1. 出汁(ダシ)の抽き方

世界的な注目を浴び続ける「和食」。和食の基本は、出汁(ダシ)による味付けにあると言われています。和食の出汁には、昆布・鰹・煮干し・しいたけなどがありますが、ここでは昆布と鰹の出汁を御紹介しましょう。昆布のうまみ成分は有名なグルタミン酸です。いっぽう鰹節のうま味成分はイノシン酸です。このグルタミン酸とイノシン酸を合わせると1+1が2ではなく10倍ものうま味に変化するのです。出汁を抽(ひ)くというのは、まさに黄金のうま味が抽出されるところから出た言葉です。

昆布と鰹節の出汁には1番から3番まで種類があり、用途が変わります。

一番出汁 うま味の強い最高の出汁。すべての和食料理に使用可能。特にお吸物やうどんつゆなどに最適です。
二番出汁 煮物に最適の出汁です。
素材のうま味を引き出します。
一番出汁 お味噌汁に最適です。

『出汁の抽き方』

材 料

出汁用昆布 20g、 鰹節 30g、 水 1L

作り方

  • 昆布の表面を固く絞った布巾できれいに拭いて下さい。
  • 水1Lを鍋に入れ昆布を約10分間漬けおきにします。
  • 火を入れて沸騰寸前に昆布をあげて、火を消します。
  • 火を入れて沸騰寸前に昆布をあげて、火を消します。
  • 先程の昆布と鰹節を水に入れ、強火一吹きで火を落とします。
  • これを漉したら二番出汁の出来上がり。
  • さらに先程の昆布と鰹節を抽くと、これが三番出汁です。

『昆布出汁』

材 料

出汁用昆布 20g、 水 5カップ

作り方

ボウルに水を入れきれいにした昆布を入れ、一昼夜寝かせ昆布を取り出します。
昆布出汁は香りが控えめな上品な出汁です。
精進料理や酢の物などに最適です。
鍋物や湯豆腐の出汁に使用するのが、昆布出汁(水出汁とも呼ばれます)

2. 昆布〆(じめ)

富山の郷土料理昆布〆。新鮮な魚の切り身を昆布で〆、芳醇な刺身として味わう贅沢な味覚です。もともと保存食としてはじまった魚の調理法ですが、昆布の旨味が魚に移り昆布料理の傑作といわれています。

材 料(5人前)

板昆布/かじき鮪/生姜/酢/塩

作り方

  • 昆布をハガキ2枚並べた位の大きさに切り、濡れふきんで丁寧に拭きます。
  • 酢に調味料と塩少々。これを昆布に塗り込みます。
  • そぎ切りにしたかじき鮪を、すきまなく昆布の上に並べます。
  • 生姜を細かく刻んだ針生姜をまぶし、昆布を被せます。
  • 2段から3段重ねしたものをサランラップで包み、軽いおもしをして、4~5時間から一昼夜ねかせます。

3. 昆布巻

昆布料理では代表的な昆布巻。ほぼ日本全国に見られる料理ですが、巻き込む魚の違いによって土地柄がわかります。
ここではニシンの昆布巻を作ってみましょう。

材 料

板昆布/身欠き鰊/干瓢

作り方

  • 昆布は軽く洗って2時間程おいておきます。
  • ニシンは一昼夜水にもどします。
  • 昆布でニシンを巻き込み、干瓢で縛ります。
  • 水に酒を少々加えて、昆布巻を煮込みます。
  • 吹き上がったら塩を少々。とろ火でさらに煮込みます。
  • 煮詰まったら醤油を入れて、さらに小1時間煮込みます。

4. クーブジューシー

沖縄郷土料理のクーブジューシーの作り方です。 クーブは昆布。ジューシーは沖縄の言葉で「まぜごはん」。すなわち昆布入りの味付け御飯、それがクーブジューシーです。

材 料(5人前)

米 4カップ、 刻み昆布 50g、 豚三枚肉 200g、 サラダ油 大サジ3、 だし汁(叉は水) 5カップ、 塩 大サジ1、 醤油 大サジ2

作り方

  • 米を洗い、水きりをして2~3時間おきます。
  • お湯に昆布を入れ20分程茹で、3~4cmの長さに切ります。
  • 椎茸は水でもどし、細切りにします。
  • 鍋にサラダ油を入れて熱し、豚肉を炒めます。
  • 【4】に昆布と米を入れサッと炒め火を止めます。
  • 出汁を加え、塩、醤油で味を調え、普通の御飯のように炊き上げます。

5. クーブイリチー

これも沖縄の代表的な郷土料理。沖縄では昆布をクーブ、炒め物をイリチーと呼びます。すなわち「昆布炒め」がクーブイリチーというわけです。

材 料(5人前)

刻み昆布 70g、 豚三枚肉 150g、 こんにゃく 1/3、 うす揚げ 50g、 かまぼこ 50g、 椎茸 3枚、 豚出汁 3~4カップ、 砂糖 大サジ2~3、 醤油 大サジ3~4、 酒 1/3カップ、 サラダ油 適量

作り方

  • 昆布を湯の中に入れ、約10~15分茹で、ザルに上げ水切り後食べよい長さに切っておきます。
  • 豚肉は固茹でにし、短冊に切りおきます。
  • 椎茸は水でもどし、細切りにします。
  • うす揚げも油抜きし、短冊に切りおきします。
  • こんにゃくは短冊に切ってから茹で、水洗いしてザルに上げます。
  • かまぼこも短冊に切りおきします。
  • 下ごしらえが終わったら鍋に油を熱し、豚肉を炒め、椎茸、こんにゃくを加えてさらに炒めます。
  • 砂糖、醤油で味付けします。
  • 昆布と うす揚げも加えて出汁を少なめに入れ、蓋をして弱火にし、煮込みます。
  • 汁気がなくなったら出汁を加えます。
  • 昆布がやわらかくなったら、かまぼこを加え仕上げます。

6. バッテラ寿司

江戸前のにぎりに対して、大阪は押しずし。バッテラはその代表的存在です。現在は鯖を使いますが、誕生当時はこのしろ。銀しゃりの上でピンと尾を張る姿がボートに似ていたからポルトガル語の名前「バッテラ」(ボートの意味)が付けられました。

材 料

白板昆布/鯖おし寿司/酢/砂糖

作り方

  • 白板昆布を、酢と砂糖の甘酢に2日程漬けおきます。
  • 押し寿司容器に白板昆布を敷き、酢で〆た鯖を乗せ、寿司飯を押し込むように乗せます。
  • 寿司飯にも昆布の風味が移るように、白板昆布を巻き込みます。

7. 佃煮

大阪名物昆布の佃煮。大阪では真昆布だけしか使用しない老舗も多いとか。塩昆布とともにお茶漬に欠かせない佃煮は昆布名人の料理です。

材 料

板昆布/醤油/ザラメ/調味料

作り方

  • 耳裁ち(昆布の両端を切り四角くすること)した昆布を4~5cm角に切りそろえます。
  • 酢と調味料で作った液に通します。(漬け前)
  • 鍋に醤油とザラメと出汁を入れ煮立てます。
  • 昆布を入れ、30分に1度位かき混ぜながら、約3時間かけて炊き上げます。

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